私も「専攻科」を卒業したから、どういった学生が進学すべきか分かります。
ポイント
高専には「専攻科」という組織が存在します。
高専を卒業した後に、専攻科に進学し2年間通えば大学卒(大学評価・学位授与機構の定めた条件を満たした者に限る)になることができるのです。
今回は、そんな「専攻科」について、進学すべき人を専攻科卒の私が解説します。
この記事の目次(クリックでジャンプ)
結論:公務員、大学院進学を志望している高専生向け
結論から申し上げます、専攻科は公務員や大学院を志望している学生にとっては非常にメリットのある組織だと思います。
なぜ、公務員や大学院志望者にとって良い組織かというと、
公務員は、公務員試験(面接含む)さえ合格してしまえば、どこの大学を卒業したかは関係ありません。試験さえ良い点数を取ればよいのです。
民間企業への就活を行う場合には、学歴フィルターというものが少なからず存在します。
こうしたフィルターを専攻科は通り抜けることが難しいと考えています。
次に、大学院志望者におすすめなの理由としては、国公立大学や旧帝大の大学院に専攻科生の需要があるからです。
特に最近は新設の大学院が珍しくありません。
こうした大学院は学部がないため、質の高い学生を集めることが難しいのです。
詳しくは後述します。
公務員には学歴フィルターは存在しない
理由としては、公務員は学歴フィルターが存在しないということと、高専卒(本科卒)では初級(高校卒)として扱われてしまうためです。
民間企業に学歴フィルターは確実に存在する
特に大手上場企業などではこのようなフィルターが顕著であり、書類選考が通らないと耳にします。
私の専攻科時代の同級生で、大手民間企業を受けた者がいましたが、書類選考を通過させるのに苦労していました。
一方、公務員においては公務員試験で所定の点数を取れば良いため、試験者に公平であり、学歴フィルターは存在しません。
高専卒(本科卒)で公務員(初級)はもったいない
次に、高専卒で公務員になると初級(高校卒)として扱われてしまう可能性があることについてですが、個人的には、高専卒で初級(高校卒)として、公務員になるのは非常にもったいないと考えます。
私の友人には高専で初級(高卒)として公務員になった者と、専攻科から上級(大学卒)として公務員になった者がいますが、3年目で上級(大学卒)が5年目の初級(高卒)の職位を追い越しました。
以上の理由から、上級(大卒)として公務員志望の高専卒は専攻科に進学すべきだと考えます。
ちなみに、複数の学科の中でも、特に土木系学科の高専生に専攻科をおすすめします。(公務員の土木職の採用が多いので。)
専攻科生は大学院から需要あり、選び放題といっても過言じゃない
既述の通り、大学院からの専攻科生の人気が高まっています。
最近は、大学の新領域や大学院大学などで大学院が新設されることが少なく有りません。
しかし、同大学の学生数には限りがあるので、他大学や専攻科から学生を確保する必要があります。
そういった情勢から、専攻科生の人気が高まっている訳です。
現に私が専攻科のときにも、東京大学の新領域などそうそうたる大学から募集がありました。
私も専攻科から大学院に進学しましたが、「専攻科卒=できる人」のようなイメージが浸透していました。
また、専攻科に進学することで、金銭的メリットもあります。
高専から大学に編入すると、一人暮らしにかかる費用や学費などで、多大なお金が必要となります。
一方で、専攻科は、自宅から通うことができる人がほとんどなので、こういった金銭的負担はなくなります。
以上の理由から、大学院志望の高専生に専攻科への進学をおすすめします。
ちなみに、高専のメリットを書いた記事の中でも、専攻科から大学院進学のメリットを伝えています。お時間があればぜひ御覧ください。
高専とは何年通う?普通校との違い、偏差値、メリットを元高専生が語る
続きを見る
専攻科卒じゃ民間企業への就職は不利なの?
民間企業にもよりますが、大手ほど学歴フィルターを設けている会社が多い印象があります。
学歴フィルターとは、ある一定水準のレベル以上の大学からしか採用しないことをいいます。
ココがポイント
こうした学歴フィルターに、専攻科ブランドが通用するか?と問われると、現時点では、NOだと思います。
私の同級生や後輩の専攻科生の就活状況をみていると、なかなか大手民間企業に入るのは難しそうです。
ただ、大手民間企業の技術職や、大手民間企業のグループ会社に入っている専攻科生は私の周りで多いです。例えば、JR東日本のプロフェッショナル職など。
こうした企業規模や職種で問題ないと考える方であれば、専攻科から民間企業への就職も選択肢の一つかと思います。
まとめ
本記事では、高専から専攻科に進学すべき人を解説しました。
民間企業への就職希望者も、企業規模や職種を問わなければ選択肢としてありかなと思います。
これから進路選択をする高専生の参考になれば幸いです。